2026.06.29
Sakana Fuguを使ってみた:
Claude・Gemini・GPTからオープンモデルまで、すべてを統べる一つのモデル
TL;DR
- Sakana AI は、2026年6月22日にSakana Fuguの一般提供を開始しました。Sakana Fuguは、単一のLLMとして振る舞いながら、内部では OpenAI や Anthropic、Google などの各種フロンティアモデルやオープンモデルを動的に呼び出す「マルチエージェント・オーケストレーション基盤モデル」です。軽量版のFuguと高機能版のFugu Ultraの2種類があり、そのベンチマークパフォーマンスは、Fable 5やMythos Preview に匹敵しています。
- Sakana Fugu/Fugu Ultraのベースとなる技術は、「TRINITY」と「The Conductor」の2つのICLR 2026採択論文です。前者は小型LLMが最適なLLMに割り振る技術で、後者は中型LLMが複数のLLMを協調させてタスクを分割して処理する技術です。
はじめに
こんにちは、グループ研究開発本部 AI研究開発室のT.I.です。先日、AnthropicがMythosの一般向けバージョン Fable 5を6月9日にリリースしましたが、安全性の問題が懸念されアメリカ以外での利用が6月12日には停止されてしまいました。また、OpenAIもGPT-5.6 Sol / Terra / Lunaを発表しましたが、こちらも米国政府の「信頼できるパートナー」に限定して提供されるなど、フロンティアモデルの利用に関しては、国による規制や利用制限があるなど、まだまだ不安定な状況が続いています。そんな折に、あの日本のAIスタートアップ「Sakana AI」が、Fable 5やMythos Preview に比肩する性能を持つ「Fugu/Fugu Ultra」を発表しました「Sakana Fugu: One Model to Command Them All」。これは、2026年4月24日に「Sakana Fugu: A Multi-Agent Orchestration System as a Foundation Model」としてベータ版の申し込みが始まっていたものの正式版です。
さて、Sakana AIと言えば、巨大な大規模モデルを開発するのではなく、「進化的最適化」や「集合知」というコンセプトのもと、既存のLLMを複数組み合わせて協調させ、性能を引き出すというアプローチで独自の研究開発で知られています。これまでのブログで「Sakana AIの進化的モデルマージによるLLM:EvoLLM-JP(日本語+数学)とEvoVLM-JP(日本語+画像)」や「The AI Scientist:Sakana AIの開発した仮説提案、実験、論文執筆から査読まで研究自動化AIエージェント」で紹介したこともあります。そして、Fugu/Fugu Ultraもその延長線に当たるモデルで、Sakana AIがMythos級のモデルを一から作った、というものではありません。Fugu/Fugu Ultraは単一のモデルとして振る舞いながら、その裏ではGPT-5.5やClaude Opus 4.8、Gemini 3.1 Proなどの各種フロンティアモデルやオープンモデル、あるいはFugu自身を再度呼び出して、タスクを割り振って使うというコンセプトのモデルです。これが「One Model to Rule Them All」ではなく「One Model to Command Them All」と表現されている所以ですね。

Sakana Fugu のテクニカルレポートでも、GPTシリーズは数理的推論スキルに長けている一方で、Opusシリーズはソフトウェア開発やサイバーセキュリティ分野に優れていると評価しています。Fugu/Fugu Ultraでは、このように餅は餅屋とばかりにタスクに応じた最適なモデルを呼び出し、また、タスクを分割して複数モデルに割り振ることで、単一のモデルでは実現できない性能を発揮することが可能となっています。
Fugu/Fugu UltraのFable 5、Gemini 3.1 Pro、GPT-5.5、Opus 4.8とのベンチマークの比較は以下の図の通りです。LiveCodeBench、GPQA-Dなどの一部のベンチマークでは、Fugu Ultra/Fuguは、Fable 5やMythos Previewを超える性能を発揮しています。

Sakana Fugu を使ってみる
Fuguの技術詳細の前に、まずは実際にFuguを使ってみます。「Sakana Fugu」の公式ページにある通り、Fuguは有料のサービスで、「Token Plan」もしくは「Subscription Plan」に課金する必要があります。サブスクですと、月々$20のStandard、$100のPro、$200のMaxの3種類があります。7月末までに登録すると2ヶ月目を無料化するキャンペーンを実施しているので、興味があるなら早めに登録するのが良いでしょう。
OpenAI SDK 互換APIから呼ぶ
Sakana Console から API キーを取得しておきます。APIキーがfishの文字列から始まることが芸が細かいです。

ちなみに、Fugu の呼び出すモデルは、API キーごとに制御可能です(注:Sakana Fuguの公式ページFAQによると、Fugu Ultraの場合は、自動的に全エージェントプールを利用するため、制御不可能です)。Sakana AIによると将来的にオープンモデルも含めてプールを拡充するそうですが、現時点では、以下の通り、GPT・Claude・Geminiの御三家のみが利用・制御可能です。

OpenAI SDK 互換のため、Python の openai ライブラリから差し替えだけで利用することもできます。「Get Started」のページにあるようにアクセス先は https://api.sakana.ai/v1 です。
from openai import OpenAI
import os
api_key = os.environ["FUGU_API_KEY"],
client = OpenAI(
base_url="https://api.sakana.ai/v1",
api_key=api_key,
)
response = client.responses.create(
model="fugu-ultra",
input="Sakana AIの強みについて解説してください",
timeout=120.0,
)
print(response.output_text)
さあ、Sakana AIの強みとは一体なんでしょうか?
Sakana AIは、2023年に東京で設立されたAIスタートアップであり、設立からわずか1年余りでユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)となるなど、世界中で極めて高い注目を集めています。 同社の強みは、単なる「日本発の生成AI企業」という点ではなく、**巨大な計算資源で力任せにモデルを作る既存のメガテック企業とは一線を画す、独自のAI開発アプローチ**にあります。具体的には、以下の5つの強みが挙げられます。 ### 1. 自然界(進化・群知能)に着想を得た独自のアプローチ OpenAIやGoogleなどの巨大IT企業の多くが、膨大な計算資源とデータを用いて「単一の超巨大なモデル」を学習させるアプローチをとっています。一方、Sakana AIは、社名の「Sakana(魚)」が環境に適応する魚の群れに由来するように、「進化的アルゴリズム」や「群知能」に着想を得ています。 代表的な成果として、既存のオープンソースモデルを自動的に交配・最適化して新しい高性能モデルを作り出す**「進化的モデルマージ(Evolutionary Model Merge)」**という手法を開発し、異なる強みを持つモデルを高次元で融合させることに成功しています。 ### 2. 世界トップクラスの創業者チーム 最大の競争優位性とも言えるのが、創業チームの圧倒的な技術的バックグラウンドです。 * **Llion Jones(リオン・ジョーンズ)氏**: 現在の生成AIブームの基盤技術である「Transformer」を提案した歴史的論文『Attention Is All You Need』の共同著者。 * **David Ha(デイビッド・ハ)氏**: Google Brainの研究員やStability AIの研究トップを歴任し、複雑系や進化的アルゴリズムの世界的権威。 現代AIの中核技術を作ってきたトップリサーチャーたちが直接率いていることで、世界的な信頼と期待を集めています。 ### 3. 計算資源に依存しない高い開発効率 AIモデルをゼロから学習させるには、何百億円というコストと膨大なGPU(計算資源)が必要です。しかし、Sakana AIの「進化的モデルマージ」などの手法は既存モデルをベースにするため、学習にかかる計算コストと時間を劇的に削減できます。資金力やGPUの量でメガテックと真正面から消耗戦をするのではなく、**「研究アイデアと効率性」によって少ないリソースで高い性能を引き出す戦略**が、スタートアップとして非常に合理的に機能しています。 ### 4. 既存の枠にとらわれない先進的な研究開発力 言語モデルや画像生成モデルの開発にとどまらず、常にAI研究の最先端(フロンティア)を開拓する力を持っています。その象徴が、AI自身がアイデアを考案し、コードを書き、実験を行い、論文を執筆・査読する自律型AI研究システム**「The AI Scientist」**の発表です。AIそのものの研究プロセスを自動化するという、未来志向のテーマにも果敢に取り組んでいます。 ### 5. 日本を拠点とする戦略的なポジションと強力なエコシステム 東京を拠点とすることで、日本語や日本の文化・ビジネスニーズに最適化されたモデル(EvoLLM-JP、画像生成のEvoSDXL-JPなど)をいち早く展開し、日本市場での優位性を築いています。 また、世界的なトップ投資家(NVIDIA、Khosla Ventures、NEAなど)からの出資に加え、NTT、KDDI、ソニーグループなど日本の名だたる大手企業と強力な資本業務提携を結んでおり、事業を展開する上で不可欠な強固なエコシステムとブランド力をすでに獲得しています。 --- **【今後の展望と課題】** 今後の注目ポイントとして、Sakana AIの「組み合わせ・高効率化」のアプローチが、数兆円規模の計算資源を投じる他社の「超巨大モデル」に対して、長期的にどこまで性能面での競争力を維持できるかは業界内でも議論の的となっています。また、世界トップレベルの研究成果を、いかにして持続的で収益性の高い商用プロダクト(エンタープライズ向けのビジネス展開など)に落とし込んでいくかが、次のフェーズの鍵となるでしょう。 総じて、Sakana AIの最大の強みは**「AIの歴史を作った天才的な研究者たちによる、計算資源の力技に頼らない高効率で独創的なAI開発アプローチ」**にあると言えます。
だ、そうです。Web検索も可能です。
response = client.responses.create(
model="fugu",
tools=[{"type": "web_search"}],
input="過去1週間の重要なAI関連ニュースを検索し、要約してください。引用元も明記してください。",
)
print(response.output_text)
最近のAI関連ニュースをまとめてもらいました。
対象期間:**2026年6月20日〜6月27日**(本日までの過去1週間)。主要メディア、企業公式発表、政府・議会発表を中心に確認しました。 ## 重要AIニュース要約 ### 1. 米政府、OpenAI・Anthropicの最先端AIモデルへのアクセスを事実上審査 OpenAIは新モデル群 **GPT‑5.6 Sol / Terra / Luna** を発表しましたが、当初は米政府に共有された「信頼できるパートナー」に限定提供すると説明しました。APは、OpenAIとAnthropicの最新モデル提供が「トランプ政権に承認された顧客」に限定される形になったと報じています。Anthropicについては、制限されていた **Mythos 5** が一部の米国組織向けに再開される一方、広範な提供や **Fable 5** の扱いにはなお不透明さが残ります。**AI安全保障が、輸出管理・サイバー防衛・産業政策の中心問題になった**ことが今週最大のニュースです。([openai.com](https://openai.com/index/previewing-gpt-5-6-sol/)) ### 2. OpenAI、GPT‑5.6を限定プレビュー—サイバー・生物・コーディング能力を強化 OpenAIはGPT‑5.6 Solを「同社最強モデル」と位置づけ、コーディング、バイオ、サイバーセキュリティの長期タスクで改善したと説明しました。一方で、サイバー悪用リスクに対応するため、拒否訓練、リアルタイム分類器、アカウント単位のレビュー、人間によるレッドチーミングなどの多層的な安全策を導入するとしています。価格体系もSol / Terra / Lunaの3段階で示され、API・Codex経由で限定提供から開始されます。([openai.com](https://openai.com/index/previewing-gpt-5-6-sol/)) ### 3. OpenAIとBroadcom、LLM推論向け独自AIチップ「Jalapeño」を発表 OpenAIとBroadcomは、OpenAI初の独自「Intelligence Processor」である **Jalapeño** を発表しました。LLM推論向けに設計され、OpenAIは9カ月で設計から製造段階まで進めたと説明しています。初期テストでは性能あたり消費電力が現行最先端より良いとされ、2026年末から複数世代にわたってギガワット規模のデータセンター展開を目指すとしています。これは、OpenAIがモデル・プロダクトだけでなく、**半導体とインフラまで垂直統合を進める動き**として重要です。([openai.com](https://openai.com/index/openai-broadcom-jalapeno-inference-chip/?utm_source=openai)) ### 4. Anthropic、AlibabaによるClaude能力の「蒸留」攻撃を主張 Reuters報道によると、AnthropicはAlibabaおよびAlibaba Qwen関係者が、Claudeの能力を不正に抽出する「distillation(蒸留)」攻撃を行ったと主張しました。Anthropicの書簡によれば、4月22日〜6月5日に約2万5,000の不正アカウントを通じて2,880万件超のやり取りが行われたとされています。Alibaba側の反応は記事時点で確認されていません。**AIモデルの能力そのものが国家・企業間の知財/安全保障上の資産として扱われ始めた**ことを示すニュースです。([moneycontrol.com](https://www.moneycontrol.com/artificial-intelligence/anthropic-says-alibaba-illicitly-extracted-claude-ai-model-capabilities-article-13958249.html)) ### 5. OpenAI、社内外のCodex利用データから「AIエージェント化」の進展を発表 OpenAIは、Codexの利用データに基づき、AI利用が短いチャットから「長時間の委任タスク」へ移りつつあるとする分析を公開しました。OpenAI社内では法務・採用など非エンジニア部門もCodexを主要AIツールとして使うようになり、サンプル個人ユーザーの80.6%が「人間なら30分超」と推定されるCodex依頼を少なくとも1回行ったとされています。**AIエージェントが実務の単位を変え始めている**点で注目です。([openai.com](https://openai.com/index/how-agents-are-transforming-work/)) ### 6. Meta、EssilorLuxotticaと新AIスマートグラス「Meta Glasses」を発表 MetaはEssilorLuxotticaと組み、Ray-Banなどのブランド名ではなくMetaブランドのAIスマートグラスを発表しました。26種類のスタイル、処方レンズ対応、Meta AIを呼び出す専用ボタン、8時間超のバッテリーなどを特徴とし、価格は299ドルからです。AIアシスタントの次の主要インターフェースとして、**スマートグラス市場を広げようとするMetaの本格展開**と見られます。([about.fb.com](https://about.fb.com/news/2026/06/meta-essilorluxottica-partner-launch-meta-glasses/)) ### 7. 米下院で「AIデータセンター・モラトリアム法案」提出 Alexandria Ocasio-Cortez下院議員は6月24日、AIデータセンターの新設・拡張を一時禁止する **Artificial Intelligence Data Center Moratorium Act** の下院版を提出しました。法案は、AIの経済・環境・安全性への影響を扱う包括法制が成立するまでデータセンター建設を止める内容で、電力料金、環境負荷、雇用、プライバシー・市民権への影響を問題視しています。AIブームの裏側にある**電力・水・地域負担への政治的反発**が強まっています。([ocasio-cortez.house.gov](https://ocasio-cortez.house.gov/media/press-releases/ocasio-cortez-introduces-house-version-ai-data-center-moratorium-act)) ### 8. カリフォルニアで、AI価格設定ソフトによるガソリン価格つり上げ疑惑の集団訴訟 APによると、カリフォルニアの消費者が、Marathon、Circle K、BP、Walmart、Albertsonsなどのガソリン販売業者を相手に、Kalibrateの燃料価格設定ソフトを使って価格競争を弱めたとして集団訴訟を起こしました。訴状では、アルゴリズム価格設定により一部市場で1ガロンあたり最大30セント価格が上がったと主張されています。これは、AI・アルゴリズムが**消費者物価や競争法の問題として争われる代表的事例**になり得ます。([apnews.com](https://apnews.com/article/fbf2c03bb69b53da4ede72044ce5e41f)) ### 9. Microsoft、AI支援分析でマルウェア基盤を摘発 Microsoftは、AI支援分析によりサイバー犯罪ツール **Amadey** と **StealC** が同じインフラに依存していることを突き止め、同時に摘発したと発表しました。5月前半だけで両ツールは世界で14万台超の感染端末に関連していたとされ、Microsoftは作戦開始後に1万8,000台超の被害端末を特定し、200超のC2サーバーを妨害したと説明しています。AIは攻撃面だけでなく、**防御・法執行のスケールアップ**にも使われています。([blogs.microsoft.com](https://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2026/06/24/scaling-cybercrime-disruption-through-innovation-and-ai/)) ### 10. Mistral、文書AI向けOCR 4をリリース Mistral AIは6月23日、Document AIスタック向けの **OCR 4** を公開しました。文書からテキストを抽出するだけでなく、段落単位のバウンディングボックスや構造ブロックラベルを扱える点が特徴です。価格は通常OCRが1,000ページあたり4ドル、注釈付きページが1,000ページあたり5ドルとされています。企業文書検索、RAG、法務・金融などの文書処理用途で重要なアップデートです。([docs.mistral.ai](https://docs.mistral.ai/models/model-cards/ocr-4-0)) ## 今週の大きな流れ 今週は、単なる新モデル発表よりも、**「誰が最先端AIを使えるのか」「AIインフラをどこまで拡張してよいのか」「AIエージェントが実務をどう変えるのか」**が焦点でした。特に米政府によるOpenAI・Anthropicモデルへのアクセス審査、OpenAIの独自チップ、AIデータセンター規制、アルゴリズム価格設定訴訟は、AIが技術トピックを超えて**安全保障・独禁法・電力政策・労働市場**の問題になっていることを示しています。
MythosやGPT-5.6が利用できるのはいつになるのでしょうか?
なお、Fugu は内部で複数のフロンティアLLMを呼び出しますが、具体的にどのモデルを使っているのかなどの情報は不明です。
codex-fugu CLI からFuguを使ってみる
AIエージェントとして本格的に利用する場合では、Sakana Fugu 公式のcodexのラッパーであるcodex-fugu CLI を使うのが便利です。インストールと起動は以下のコマンドで完結します。簡単ですね。インストール時に API キーを聞かれるので、Sakana Console から取得した API キーを入力してください。
$ curl -fsSL https://sakana.ai/fugu/install | bash # APIキーを聞かれるので、Sakana Console から取得したAPIキーを入力 $ codex-fugu

「Get Started」では、codexからSakana Fuguを利用をするための各種設定ファイルの設定方法が解説されているので、自分自身の手で管理したい場合は、そちらを参照すると良いでしょう。
起動後は、/model コマンドで fugu と fugu-ultra を切り替えることができます。

/model コマンドで Fugu Ultra に切り替える画面更にReasoning Levelの選択が可能です。問題に応じて、Extra highなどを使い分けることができます。

ちなみに、モデル名を聞くと、ちゃんと「Fugu」と答えてくれます。この回答を実際に生成しているのはClaude Opus 4.8などのモデルの可能性が高いのですが、そこは抜かりなく、Sakana Fuguとして振る舞ってくれます。

Fuguに関する知識もちゃんと持っているようですね。

ただし、Fuguの技術要素については、特に知識が与えられていない様子です。質問しても、裏付けできないと回答することはできませんでした。

なお、中にいる人が誰かと聞いても正直には教えてくれません。やはり、そこら辺のガードレールはしっかりしているようです。

結局、内部のモデルはフロンティアレベル級のモデルが動いているので、あとは普通に codex cli と同等の使い方ができます。性能に関しても特に問題なく利用できます。以下は、codex-fuguとcodex (gpt-5.5) に作成させたテトリスの画面です。

簡単なタスクなので両者とも同じような結果を返してくれますが、codex-fuguが1分22秒で実装してくれたのに対して、codex (gpt-5.5) は2分15秒かかりました。実装結果もcodex-fuguの方は、テトリミノの落下予測表示や、ハードドロップが実装されており、より完成度の高い実装になっています(あくまで一度だけの実行結果の比較なので、偶々な可能性もありますが)。codex-fuguが、実装してくれた内容は以下の通りです。

Sakana Fugu の技術要素について
さて、一通り動かしてみたので、以下では、Sakana Fugu の技術要素について簡単に解説しておきます。Sakana AIは、Sakana Fugu の技術レポートを公開しています「Sakana Fugu Technical Report」。それによるとSakana Fuguは、TRINITY「TRINITY: An Evolved LLM Coordinator [arXiv:2512.04695]」、そして、Fugu Ultraは、The Conductor「Learning to Orchestrate Agents in Natural Language with the Conductor [arXiv:2512.04388]」という2本の論文を技術基盤として構成されています。
Fugu: TRINITY
TRINITY は、Small Language Model (SLM) とGPT-5、Claude 4 Sonnet、Gemini 2.5 Proなどのclosed modelと、Gemma-3-27B-It、DeepSeek-R1-Distill-Qwen-32B、Qwen-3-32Bを組み合わせたシステムです。このSLMが、最も適切なLLMを選択しタスクを分配するコーディネーターとして機能します。Fuguでは、具体的にどのSLMを採用しているか不明ですが、TRINITYでは、Qwen3-0.6Bを採用しており、LLMの選択とタスク分配を行っています。

この軽量なコーディネーターの隠れ層の情報を取り出し、課題に適したLLMを選択します。また、その際に、TRINITYの名の示す通り、LLMの役割を「Thinker」「Worker」「Verifier」の3つに分けて、タスクを分配しています。それぞれ文字通り、計画立案、具体的なタスクの実行、そして検証を行う役割です。
Fugu では、このTRINITYをベースとしていますが、よりシンプルにWorkerのみを使う構成になっています。

Fugu では、具体的にどのSLMを採用しているか、選択先のLLMは何かというのも不明ですが、高い性能を維持しながら低レイテンシを実現しています。
Fugu Ultra: The Conductor
Fugu Ultraの基盤となっているThe Conductorは、Fugu/TRINITYより更に複雑に複数のLLMを協調させるシステムです。Conductorは、課題を複数のサブタスクに分解し、それぞれのサブタスクに最適なLLMを割り当てることで、高度な協調戦略を実現しています。以下の図が、タスク分割と割り振りの例となります。与えられた課題を、Model 2, 0の特性に応じて作業を計画、それをリストとして出力し、Model 2, 0に割り振るという流れです。

TRINITYよりも作業が複雑であるため、The Conductorでは、Qwen2.5-7Bをベースとしたモデルを採用しています。Fugu Ultraでは、具体的にどのLLMを採用しているかは不明ですが、中型以上のOpen weightモデルを採用していると考えられます。
まとめ
今回のブログでは、Sakana AI が一般提供を開始したSakana Fuguを紹介しました。Sakana Fugu は、複数のフロンティアLLMやオープンウェイトLLMを協調させることで、高い性能を実現するマルチエージェント型のAIシステムであり、TRINITY と The Conductor という2つの研究成果を基盤として構成されています。
Fuguは単一のAIとして振る舞うため内部でどのようなLLMが働いているかは不明です。Sakana AIのQ&Aによると、新しいモデルが登場した場合、2週間程度で追加学習して、Fuguの内部で利用できるようにするとのことです。つまり、Fuguを使うことで、複数のフロンティアLLMやオープンウェイトLLMを意識することなく、最新のLLMの性能を継続的に活用できるということです。
最後に
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参考資料
- Sakana Fugu: One Model to Command Them All(GA 発表ページ)
- Sakana Fugu: A Multi-Agent Orchestration System as a Foundation Model(ベータ発表ページ)
- Sakana AIの進化的モデルマージによるLLM:EvoLLM-JP・EvoVLM-JP(GMO 技術ブログ)
- The AI Scientist:Sakana AIの開発した研究自動化AIエージェント(GMO 技術ブログ)
- Anthropic: Claude Fable 5 / Mythos 5(Anthropic 発表ページ)
- OpenAI: Previewing GPT-5.6 Sol / Terra / Luna(OpenAI 発表ページ)
- Sakana Fugu 製品ページ
- Sakana Console(API キー発行)
- Sakana Console — Get Started(codex-fugu / API 設定)
- Sakana Fugu Technical Report (arXiv:2606.21228v1)
- TRINITY: An Evolved LLM Coordinator (arXiv:2512.04695)
- The Conductor: Learning to Orchestrate Agents in Natural Language with the Conductor (arXiv:2512.04388)
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